コロナ禍で圧倒的に広まったBtoBマーケティング施策の1つが「オンラインセミナー(ウェビナー)」。少しずつオフラインの展示会なども再開しつつありますが、オンラインイベントの潮流はまだまだ続く見通しです。(ソース:https://hopin.com/blog/2022-event-trends

しかし、多くの企業がオンラインセミナーを開催するようになった結果、マーケ担当者からこんな声が聞こえてくるようになりました。

  • リードが前ほど取れなくなった
  • 他社との差別化を図れない
  • 参加者の視聴途中の離脱率が高い

そこで、弊社の実績をもとに「BtoBオンラインセミナーで差別化を図り、参加者満足度を上げる方法4選」をお伝えします。

1.企画編:参加者のテンションが上がる登壇者を用意する

セミナーは「企画」が肝です。今やオンラインセミナー乱立状態なので、差別化を図るためにはなんといっても企画。

弊社は海外のスピーカーを招いたオンラインイベントを企画することがメイン事業なのですが、やはりGAFAなどの知名度の高い企業の登壇者が出るとなると、ほとんどのお客様から「過去最高の集客数でした!」「過去最高の満足度でした!」「離脱率が圧倒的に低かったです!」などとお喜びの声を頂戴しています。

成果につなげるための魅力的な企画を考える際、大きく分けると「企業軸」と「テーマ軸」で考えるのがおすすめです。

・企業軸:誰しもが知っているような有名企業(もしくは有名人)。「ここの企業(この人)の話なら聞いてみたい!」と思ってもらえる。
幅広く&多数のリード獲得に有効。

・テーマ軸:特定の領域における課題や関心を持っている方を対象にしたテーマ設定にする。ターゲットが明確であれば、その人の課題・関心を洗い出し逆算する。

→ターゲットを絞っている分、数としては減るが、商談獲得やナーチャリングしやすいリード獲得に有効。

※もちろん「企業軸×テーマ軸」の両方が網羅されていると、その分成果が出やすいです。

イベント企画の際、弊社がよくお客様にご提案するのが以下の4パターンです。

①企業軸:業界リーダー

BtoB企業であれば、ある程度サービスカテゴリが分かれているかと思います。(セールス、マーケ、CS、HRMS、バックオフィス、オートメーションなど)

そのサービス領域におけるリーディングカンパニーの方を呼ぶのがこれに当てはまります。

先日openpage様(カスタマーサクセスのサービスを提供している企業様)のイベント企画をご支援したのですが、カスタマーサクセスのリーディングカンパニーといえば、アメリカのGainsight

「カスタマーサクセスの青本」とも呼ばれている『カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則』を執筆した、CEOのニック・メータさんにご登壇いただきました。

openpage様の導入事例はこちらからお読みいただけます👇https://toprunner-marketing.co.jp/casestudies/openpage/


カスタマーサクセスに携わる方からは
「あのニック氏が登壇するなんて!」といった熱いつぶやきが開催前からTwitterで見受けられ、視聴中も学びをシェアされている方が多かった印象です。

結果、
1,000名を超えるお申込みがあり、過去最高の集客数を記録されたそうです。

自社サービスのカテゴリにおける、国内外のリーディングカンパニーの方に登壇してもらうのは、差別化を図る上で非常に有効であることがわかります。

②企業軸:知名度の高さ×希少性

「非常に知名度が高いけど、あまり情報発信されていない企業の話」がこれです。具体的な企業名を挙げるなら、ディズニーやPIXAR、NIKE、P&G、Appleあたりが当てはまります。

実際に私もヒアリングを行ったのですが、こういった企業は広報の規制が非常に厳しいため、外部発信はかなり制限されているとのことでした。

登壇者をアサインするハードルはとても高くなりますが、その分、他社では出せない希少性の高い情報を発信できることになるため、登壇が決まればSNSや口コミなどでシェアされる可能性も高くなります。

この度、スマートキャンプ様のイベントでディズニースタジオでUXデザイナーを務めるKellyさんを弊社でアサインしたのですが、Twitterでは「さっそく部内で興味がありそうなメンバー40人くらいにシェアしました!」とコメントいただけました。(シェア、ありがとうございます!!)

③テーマ軸:旬のテーマを取り上げる

ディズニーのKellyさんのイベントもまさにそうなのですが、「今、BtoB業界でホットになりつつあるテーマ」を取り上げることもおすすめです。

海外は日本よりも一歩先に進んでいる領域が多く、海外で広まったものが日本にやってくるケースがたくさんあります。

今回、注目したのは「ストーリーテリング」です。ストーリーテリングは、アメリカで多くの企業が戦略に取り入れている手法ですが、日本ではまだそこまで広まっていません。
MAサービスを提供されているSATORI様のセミナーを企画ご支援した際、Googleでプロダクトマーケティングマネージャーを務めたTucker Bryantさんをお招きし、ストーリーテリングについてお話いただきました。

この時も「過去最高の集客数を記録しました!」とお喜びの声を頂戴し、参加者アンケートの満足度も非常に高かったことを覚えています。

どんなテーマが良いかは、海外の最新情報や書店で発売されたての本のタイトルをチェックするなど、日々アンテナを張るようにするのがおすすめです。

④テーマ軸:スペシャリストによる最新情報・ノウハウ

これは主に、課題が顕在化している方や関心領域が明確な方に向けたテーマ設定です。具体例だと、クラウドOKRサービスを提供されているResily様で企画ご支援した全2回にわたるセミナーで、GoogleでグローバルOKRコーチを務められていたZachary Rossさんを講師に招き、「OKRの学習プログラム」を講演いただきました。

元GoogleグローバルOKRコーチ Zachary Rossさん

当日はOKRを実践している方・OKRに興味がある方からのお申込みを多数いただき、こちらも過去最高の集客数を記録できました。

海外では大手企業から独立してコーチングされている方が多いので、こういったノウハウ系のセミナーも大変おすすめです。

2.登壇者のプロモーション動画を用意する

海外のイベントに参加した際、メルマガに登壇者の短いメッセージ動画が挿入されていました。

「これはいい!」と思い、弊社が企画するイベントでは毎回30秒~1分程度のプロモーション動画を納品しています。(海外スピーカーなので字幕付きです)

日本ではこういった面での動画の活用が進んでおらず、ほとんどの企業は登壇者の画像とテキストのみでの紹介が多い印象です。


しかし、登壇者の動画でのメッセージがあると登壇者の簡単な紹介や当日聞ける内容が目と耳から情報として入るため、当日への期待値が上がります。

元フォートナイトのUXディレクターを務めたセリアさんをお呼びしたニジボックス様のイベントでは、イベント用のかっこいいプロモーション動画を作成されており、その中の素材としてご活用いただきました。

その他にも、メルマガやランディングページに埋め込むのがおすすめです。

 

3.申込者限定特典を用意する

「限定」「特典」というキーワードにワクワクするのは私だけではないはずです。たまに見かけるのが書籍やAmazonギフト券を抽選でプレゼントするというものです。

個人的には、申込者限定特典は申込を後押しするのはもちろんですが、
「参加者の理解を促進する」や「当日への期待値を高める」、「特別感を演出する」ために有効だと考えています。

事例でいうと、上記でご紹介したopenpage様のイベントの際、Gainsight社に交渉し『新・カスタマーサクセス10の原則』(同社が配布しているeBook)の翻訳権を取得し、申込者限定特典として配布いただきました。

毎回やる施策ではないのですが、本イベントの内容がopenpageの藤島様とCEOニックさんが上記のeBookの内容をもとに深堀していくインタビュー形式のものだったので、「きっと日本語訳を事前に見て、内容を理解したうえでご参加いただいた方が当日の満足度が上がるだろう」と考えたのです。

これ以外でいえば、登壇者が書いた関連記事や過去の動画などを限定公開するのも良いかもしれません。

4.未回答質問を後日配布する

海外オンラインセミナーでは、現地と生中継のQ&Aセッションを45分ほどご用意することが多いのですが、「時間内に質問を回答しきれない」といったケースがよくあります。

皆さん非常に勉強熱心なので、質問が多い時だと60問以上来ます。そうすると、どんなに通訳を頑張っていただいてもさばけるのは半分以下。参加者の観点からすると「自分が疑問に思ったことが取り上げられなかった‥」と少しがっかりした気持ちになりますよね。

弊社では回答しきれなかった質問を即日英語翻訳し、数日以内に登壇者に回答いただき、和訳したものを約1週間以内にお届けしています。

もちろんあまりにも数が多いと質問を厳選せざるをえませんが、当日回答してもらえなかった自分の質問を、後から答えてもらえるとうれしいですよね。


クライアント視点でいくと、セミナーが終わった後にも質問リストを送付したり、アーカイブ動画を公開したりと
タッチポイントを増やすことで、インサイドセールスなどの営業チームが参加者と関わりやすくなります。

この施策も遅すぎると逆効果になってしまうため、開催後のアーカイブ配信や質問リストの公開は1週間以内(遅くとも2週間以内)に行うのがおすすめです。