3,232名の集客を実現した、BtoBオンラインイベント企画の全行程を大公開
オンラインイベントで3,232名の集客(過去最高)・商談化率10%・視聴維持率75%を実現した施策とは
多くの企業が、コロナが流行して以来、従来の対面型のイベントからオンラインイベントにシフトしました。時間や場所にとらわれず、気軽に参加できるのがオンライン開催の利点です。しかし、企画側のBtoB企業のマーケティング担当者様からよく耳にするのが、こんなお悩みです。
【オンラインイベント企画者によくある課題】
- 他社との差別化が難しくなり、参加者の集客がうまくいかない
- オンラインだと途中で離脱する人が多く、最後まで見てくれない
- 開催工数がかかりすぎて人手が足りない
これらを解決する方法の1つが「海外のトップランナーを招いたオンラインイベントの開催」です。日本では、まだ言語や時差の壁から海外の情報がなかなか入ってこない状況です。また、BtoB SaaSでは特に海外の方が進んでいる領域が多く、日本よりも先進事例がふんだんにあります。
そのため、特定の業界の第一線で活躍する海外のトップランナーを招いたイベントを行うことで、他社と差別化ができ、コンテンツの希少性の高さから離脱率を下げることができます。
私たち株式会社トップランナーマーケティングでは、法人様向けに海外の業界第一線で活躍しているトップランナーを招いたオンラインイベント企画のご支援をしており、上記のようなお悩みを持つクライアント様とお仕事をさせていただいております。
弊社が企画をご支援したオンラインイベントの結果(一例)は、以下の通りです。
- 3,232名の集客を達成(過去最高数値)
- 商談化率10%を達成
- 視聴維持率(最初から最後まで視聴した人)75%を達成
- 開催工数を従来の3分の1に削減
そこで、今回はBtoB企業でオンラインイベント企画に携わっている方向けに、上記のような成果を出すまでのイベント企画の全行程を共有しながら「成果を出すためのポイント」についてもご紹介します。
ステップ1:イベントゴール・方向性を確認
成果の出るオンラインイベント開催に向けて、まずイベントゴールと方向性を確認します。オンラインイベントを成功させるためには、いかにクライアント様が接点を持ちたいと思う方(≒見込み顧客)に、イベントにご参加いただけるかがカギです。
キックオフミーティングでは、クライアント様のサービスや顧客属性について把握したうえで、ご契約前に共有いただいた課題感やイベントの趣旨などの情報をもとに、その業界における海外トップランナー(約10名)やベストセラー作家など、イベントに合った登壇候補者をお出しします。
こちらはキックオフミーティングでお見せした、実際の資料の一部です。
クライアント様にお出しするのは、スライドにあるように所属企業・役職・経歴・過去の登壇テーマや実績です。よりイメージいただきやすいように、過去の登壇テーマや執筆した記事なども情報としてお渡ししています。
すると、クライアント様はご契約前にお話いただいた内容よりもさらに具体的なイメージが湧き、「GAFAMなどのテックジャイアント系よりは、設立年数の長いレガシー系企業の方が良い」や「登壇テーマはもう少し実務寄りの方が視聴者に寄り添えるので良い」など、よりイベントゴールに合った登壇候補者を探せるようフィードバックをしていただけます。
他にも自社の競合になる、スポンサーについているなどの理由によるNG企業、各納品物の種類、納期、今後の流れとスケジュールについて確認し、キックオフミーティングを終えます。
ステップ2:登壇候補者リストを共有
キックオフミーティングでイベントに誘致する海外トップランナーの解像度が上がったので、次は登壇候補者の選定です。クライアント様よりいただいたフィードバックをもとに、海外トップランナーの登壇候補者リストを作成します。条件や登壇テーマによって数は異なりますが、初回は約50名リストアップし、以下のようなクライアント様ごとに作成したスプレッドシートを共有します。
画像には載せられませんでしたが、見切れている箇所に「弊社からのコメント」という列があり、そこには特におすすめの理由(既に弊社との関係性ができている、過去に登壇実績がある、経歴や実績がかなりマッチしているなど)が書かれています。これは50名のリストの中でも、どなたに登壇を依頼すべきか迷ってしまうというご意見をいただいため、最初にアプローチする際の検討補助材料として記入しています。
また、「優先順位」や「コメント」の列もあり、クライアント様にはどの登壇候補者に優先的にお声がけするかの優先順位や懸念点・疑問点を入力いただきます。(例えば、「経歴は魅力的だが、実際に○○という経験があるか確認したい」「過去の登壇テーマ△△について話してほしいが、競合外資系企業のプロモーションにつながる内容にはしてほしくない」など)その内容にもとづいて、弊社が海外トップランナー達にイベントへの登壇オファーを送っていきます。
ステップ3:登壇候補者の選定
ステップ2で登壇オファーを送ると、何名か返信をくださります。テーマにもよりますが、反応率は大体3割~5割程度です。(本当に反応率はさまざまで、30名送っても反応が全くないこともあれば、送った人の7~8割から返信をいただけるケースもあります。)
返信が来た後は、スケジュールや登壇テーマなどを候補者とすり合わせます。この段階で確認すべきは、スケジュールが合うか、クライアント様が話してほしい内容に専門性や実績があり面白い内容を話せるか、謝礼の価格帯が合うか、の3点です。
全体的な条件がOKであれば、具体的なタイトルや登壇内容といったプレゼンテーションの構成案をもらいます。その際のポイントは、イベントに関する情報をできるだけ細かく伝えることです。海外の方は登壇に慣れている方が多く、同じテーマだとしても届ける相手の属性によって話す視点を変えられる方が多いです。そのため、もし過去のイベントの実績があれば、参加者の属性(業界、職種や役職、専門知識の量など)を伝えるとより良いでしょう。
プレゼンテーションの構成案が届いたタイミングで適宜クライアント様に共有し、登壇内容へのフィードバックをいただきながら、登壇者を決めていきます。
小ネタ:海外の方がなぜ弊社のオファーに興味を持ってくださるのか?
よく聞かれる質問です。「謝礼が魅力的だからですか?」とも、よく聞かれます。たしかに謝礼も重要なモチベーションですよね。
ただ、弊社は「日本と海外の架け橋になる」がミッションなので、あまりにも高い謝礼だと、なかなか架け橋の数(=海外の方との交流機会)を増やすことはできません。あくまでもクライアント様のご予算に合った登壇者をご用意するのがモットーです。(もちろん、過去に有名企業のCEOを務めていたり、ベストセラー著者、講演を専門に活動されている方などの場合は謝礼も上がりますが)
海外の方が弊社のオファーに興味を持ってくださるのは、以下の理由が多い印象です。
【海外トップランナーが日本でのイベント登壇に興味を持ってくださる理由】
- 自分の経験をもとに誰かの役に立ちたい/共有したい
- 日本での登壇機会はなかなかなくて珍しい
- 日本でのマーケットを開拓したい
- 自分のポートフォリオに追加したい
弊社では、特に最初の「誰かの役に立ちたい」を意識してオファー文を作っています。「日本では今こういう問題に直面していて、あなたの住む国の方が○○といった点で進んでいる。そのため、あなたの○○の経験をもとに××について話していただくことで問題解決につなげたい。」といった風に、なぜこのオファーをあなたにしているのかを明確に伝えます。
その際、過去の執筆記事や登壇動画があればチェックし、「この記事(動画)の○○が特によかったので」など、その人ならではの情報を文面に添えることで、その人に本当に登壇してほしいことをアピールするのも重要です。
また、日本に興味がある方は非常に多く、日本人との交流機会もなかなかないため、イベントを通じた交流(特にQ&Aセッションがある場合は、視聴者からのリアルな質問が新鮮だそうで楽しんでいただけます)を楽しみにしていただく方が多いです。
個人的な楽しみの1つとしては、登壇者の方に年末に日本風のグリーティングカードを送ったり、日本の食やアニメについてメールで話したりすることで登壇後も交流を続けたり、来日の際に会う約束をすることです。国境を越えて世界中につながりができていく感覚がこの仕事の醍醐味だなと思います。
ステップ4:契約締結と動画撮影
すみません、少し脱線しました。登壇者が決定したら、早速プレゼンテーションの撮影‥といきたいところですが、契約締結をします。もちろん英文で書かれた契約書で、内容はお互いのToDOやコンテンツの二次利用に関する取り決めなどが書かれています。クライアント様にご迷惑がかからないよう、電子署名にて契約を締結します。
契約締結後にやることは2点です。1つは、クライアント様のイベントページに必要な情報をご提出いただきます。スプレッドシートを用意し、それに入力いただいたものを弊社で翻訳してクライアント様に納品します。
小ネタ:原題のイベントタイトルは非常にシンプル
イベントページ情報を納品する際、弊社で工夫しているのはタイトルの訳し方です。海外映画やドラマに詳しい方ならお分かりいただけるかと思いますが、洋画の原題は日本語に直訳すると作品の魅力が観客に伝わりづらいことが多々あります。(例:『リメンバー・ミー』の原題は『Coco』、『アナと雪の女王』の原題は『Frozen』など)
オンラインイベントのタイトルも然りで、海外の方は数単語のみの非常にシンプルなタイトルで提出いただくことが多いのですが、そのまま訳すと日本人の視聴者に魅力は伝わりづらいです。そのため、弊社では原題も納品しつつ、アジェンダや学べることをベースにタイトルを3パターンほど納品し、クライアント様に決めていただく/それを参考にタイトルをつけていただいています。
2つめにやることは、登壇資料(動画・スライド)の受領です。以前はリアルタイムでの登壇がメインでしたが、海外とつなぐためネットワークが不安定になるリスクや通訳の大変さを鑑みて、本編は事前に録画し、日本語字幕付与した動画を当日流す形をとっています。(Q&Aセッションがあればリアルタイムで通訳を交えて実施)
そのため、登壇者には事前にプレゼンテーションを録画してもらい、発表に使ったスライドと一緒に弊社に送っていただきます。
プレゼンをZoomで録画してもらう際のポイント
プレゼンテーションを録画する際のポイントは、「スライドとカメラのワイプがかぶらないように設定してもらうこと」です。Zoomの設定をうまくしないと、スライドにカメラがかぶってしまい、内容が読めなくなってしまうケースがあります。それを避けるために、弊社では事前に以下のようなスライドを送って、スライドとカメラのワイプが完全に分離する状態で録画していただくようお願いしています。
ステップ5:視聴者にとってわかりやすいコンテンツを作る
弊社が納品するコンテンツは、大きく分けると2種類あります。1つは本編動画です。45~60分間の動画で、スライドを映しながらプレゼンしていただきます。イベント当日に流す用の動画です。
もう1つはスライド資料です。日本語版と英語版の両方を納品します。アンケート回答者限定で配布したり、後日イベントレポートを書く際にスライドの一部を記事内に掲載したりする形で活用いただけます。(オプションで動画内の資料をすべて日本語翻訳版に差し替えすることもできます。)
上記以外では、プロモーション用の30秒~1分程度の動画もご希望があれば納品しています。(視聴者への参加を促すための動画です。イベント告知のプレスリリースやメルマガ、SNSなどに活用できます。サンプルはこちら👇)
動画への日本語字幕付与ですが、弊社では以下の流れで進めています。
【日本語字幕付与のプロセス】
①プロに翻訳&字幕付与を依頼
②社内で①の内容をチェック&修正(1次チェック)
③社内で②の内容をチェック&修正(2次チェック)
①プロに翻訳&字幕付与を依頼
まず、①の段階では弊社が業務委託契約を結んでいる英語に長けたプロに翻訳と字幕付与を依頼します。その際には、AIを使った文字起こしファイルと動画の原本、弊社で作った字幕付与ルールリストを共有します。納期を決めて納品を待ちます。
②社内で①の内容をチェック&修正(1次チェック)
②の段階では、①の納品物をチェック・修正します。これを弊社では1次チェックと呼んでいるのですが、この際の観点は以下の通りです。
【1次チェックの観点】
- 登壇者の話している内容と同じ意味になっているか
- 日本語として自然な文章になっているか
- 誤字脱字、固有名詞等の間違いがないか
- 字幕の文字の量や表示時間が適切か
まず、最もあってはならないのが「誤訳」です。登壇者の伝えたい内容が変わって視聴者に伝わってしまいます。また、クライアント様への信用にも関わります。
ただ、①で翻訳いただいた方は英語のプロであって、その業界のプロではありません。恐らく、そのままの状態で納品してしまうと「英語的には間違っていないけど、その業界に詳しい人なら誰しも違和感がある内容」になってしまいます。(例えば、OKRがテーマであれば「Objective」はそのまま「Objective」もしくは「目標」と訳すのが自然だが、「客観」と訳してしまう、など)
そのため、専門用語や業界特有の言葉については、弊社で調べて業界テーマごとにシートにまとめ、各用語の訳し方や表記の仕方について統一するようにしています。
次に意識しているのが「視聴者にとっての見やすさ」です。動画の字幕という特性上、文字が数秒間で流れていってしまうので日本語としての自然さはもちろん、見ていて無理なく内容がきちんと入ってくる文字数も意識しながら調整していきます。修正箇所を社内で共有することで納品物のクオリティをそろえるために、スプレッドシートを都度作成し、タイムコードと訂正前後の内容、コメントをまとめています。実際の作業はこんな感じです。
実はこれがとても細かくて根気のいる作業で、2時間作業して進んだのがたった5分というケースもざらにあります。0.1秒単位の世界です。大変ですが、動画のクオリティがイベントの成否に非常に重要なので、視聴者にとってわかりやすい動画になるよう、スタッフ総出で毎回確認・議論して納品しています。(そのうち日本語字幕付動画の作り方もnote書きたいです)
小ネタ:必要ならば、本を買って用語をそろえる
登壇者が本を執筆していて、プレゼン内容に本の内容が出てくる場合、本を買って本に出てくる用語と動画・スライドの訳をそろえます。本を読み込むと、当初想定していた訳と違っていることが多く、より深く内容を理解できるので非常に手間とコストはかかりますが有益です。
社内でも「ここの訳は○○でした!」など共有して「なるほど~こう訳すのか!」と一同感心することもあります。
実例でいうと、以前スマートキャンプ様のイベントにご登壇いただいたアーロン・ロス氏のプレゼンテーションです。彼はセールスフォースでインサイドセールスチームを立ち上げた実績を持ち、その経験をもとに数冊本を執筆しているのですが、プレゼンに彼の著書『成功しなきゃ、おかしい 「予測できる売上」をつくる技術』と『セールスフォース式 売れる組織に変える9の方法 SALES MACHINE』の内容がたくさん出てきました。当初進めようとしていた訳し方と全く違っていて、大変興味深かったです。(もちろんプレゼンの内容も非常に面白かったです!)
多分ここまでこだわって翻訳しているところは、なかなかないのではないかなと。一緒に働いてくださっているスタッフのみなさんに感謝です。
③社内で②の内容をチェック&修正(2次チェック)
1次チェックが終わったら、最後に2次チェックを行います。これは1次チェックとは別のスタッフが行う、納品前の最後の仕上げです。
2次チェックで行うのは以下の通りです。
- 1次チェックの内容に誤訳や誤字脱字等のミスがないかWチェックする
- 意味が変わらない程度に文章のスリム化を行い、より見やすくする
「文章のスリム化」とは、意味を変えずに日本語の言い回しの無駄を極力省く作業を指します。UXライターのnaoさんが書かれた『秒で伝わる文章術』を読んで以来、心がけるようになりました。
noteも非常に有益情報満載なので、まだ見たことがない方は是非!
※スライドについては細かく触れませんでしたが、同様に1次&2次チェックを行い、用語についても動画と合わせていきます。
2次チェックまで終わったら、クライアント様に動画とスライドを納品します。
ステップ6:振り返りと次の企画会議
イベントが終わったら振り返りをクライアント様と行います。その際に視聴者の属性や申込者数などの数値データを共有いただき、改善点や次回のイベントに向けた企画会議を行います。その際には、また新たな登壇候補者リストを作成し、お見せしながら具体的なフィードバックをいただき、イベントのクオリティを上げていくご支援をします。
まとめ:開催工数が3分の1になる
上記が、弊社がクライアント様のオンラインイベントの企画をご支援する際の全行程です。
自社で海外トップランナーを招いたオンラインイベントを開催する場合は、以下のように企画~実施後の振り返りまでかなりの工数がかかります。また、英語に堪能で交渉・ディレクションもできるスタッフの確保が必要です。
そこで、弊社にお任せいただければ下記のように役割分担ができ、営業活動などにリソースを割けます。クライアント様からは「開催工数を3分の1に削減できた」とのお声をいただいております。
「テーマのみ決まっているが具体的な登壇者像が定まっていない」といった担当者様でもご安心ください。いただいた内容をもとに弊社が海外の魅力的なトップランナーをご提案させていただきます。まずは、TwitterDMでも会社HPでもお気軽にご相談ください!
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