ウェビナーの流し見や途中離脱を防ぐためのポイントと海外事例~ウェビナーお悩み相談室~

ウェビナーの流し見や途中離脱を防ぐためのポイントと海外事例~ウェビナーお悩み相談室~

Published On: 2023年5月8日Last Updated: 2023年5月11日

相談内容:流し見や途中離脱が起こりやすい

オンラインという特性上、ある程度は仕方ないとは思いつつ、
ウェビナーの中身を作るうえで流し見や途中離脱を防ぐために工夫できることはありますか?

従来の対面式の展示会やセミナーを開催するのが難しくなったコロナ禍において、急速に広まったウェビナーはオフィスや自宅にいながらにして参加できることが利点の1つです。弊社が4月に行ったアンケート調査では、場所や時間などの条件的にオフライン(会場参加型)参加が可能だとしても、半数以上がオンラインでの参加を希望すると回答しました。

オフライン参加が可能な場合でも半数以上がオンライン参加を希望

オンラインイベントやウェビナーは、オフラインよりも場所や時間に縛られず、手軽に参加してもらえるというメリットがあります。
しかし、主催者側の悩みの1つとしてよく挙げられるのが、途中で視聴をやめてしまう「途中離脱」や何か作業をしながら参加する「流し見」です。主催者側の心境としては、「イベントの後半に自社サービスをアピールする時間を設けているので最後まで見てもらいたい」、「参加者のエンゲージメントを高めて関係構築したい」といったものが考えられます。
参加者の流し見や途中離脱を防ぐためのポイントを、弊社が企画したイベントにご登壇いただいた海外ゲストのプレゼンテーションや海外企業の事例から紐解いていきます。

流し見や途中離脱を防ぐためには「動画」を活用

アメリカの大手ウェビナープラットフォームON24が2019年に実施した調査「ウェビナーベンチマークレポート」によれば、回答者はウェビナーに動画を活用する重要性を10点中7.8点と高く評価しています。
また、動画活用の効果の観点では、参加者のエンゲージメント向上や視聴時間の伸びが実証された効果として挙げられており、同社も「ウェビナーへの動画活用は、プレゼンターが伝えたいメッセージを効果的に伝える手法の1つ」と評しています。

そこで、弊社企画のイベントにご登壇いただいた海外ゲストのプレゼンテーションで実際に動画を上手く活用していた事例を2つご紹介します。

事例1:専門性の高い内容を動画で伝える

1つ目の事例は、世界的大ヒットオンラインゲーム「フォートナイト」のUXディレクターを務め、現在はゲームUXコンサルタントとしてご活躍中のセリア・ホデントさんのプレゼンテーションです。セリアさんは心理学の博士号を取得されていて、プレゼンテーション中にも心理学の専門用語が出てきました。
「心理学の理論にUXを掛け合わせた内容」と聞くと難しそうに感じられるのですが、セリアさんのプレゼンテーションではフォートナイトの実際のプレイ動画が何度か使われていました。どの点に課題があり、どのように考えて修正を重ねていったか、その結果どうだったかが、とてもわかりやすく説明されています。実際の動画がこちらです。(時間短縮のため速度や内容を一部加工してあります)

ただ動きのないスライドだけで説明するのではなく、実際の動画を見せながら説明することで、専門性が高くなじみのない話でもわかりやすく伝えられることがお分かりいただけたかと思います。イベント終了後、主催企業様に聞いたところによれば複数のプレゼンターがいる1日がかりの大型イベントの中でも途中離脱した人はほとんどおらず、参加者満足度がとても高かったそうです。

事例2:自社カルチャーを動画で体現

2つ目の事例は、シンガポール発の配車サービス「Grab」でCMOを務めるシェリル・ゴーさんのプレゼンテーションです。シェリルさんには、「ベンチャー企業のマーケティング戦略」というテーマでお話いただきました。
Grabのカルチャーについて紹介する際、「自社にはリスクを積極的に取ることを奨励する文化がある」と仰っていました。ある若手の役員が「素晴らしいアイデアを思いついた。社会的意義もあり、ぜひやらせてほしい。」とシェリルさんに熱弁したそうです。シェリルさんは話を聞いているだけではピンとこなかったものの、会社のカルチャーである”リスクを取る”に従い、彼の言葉を信じてGoサインを出しました‥という言葉の後に流されたのが、こちらの動画です。

動画を途中まで再生し、「このキャンペーンは大成功でした。リスクを取る文化があったからこそ得られた成果でした。」とまとめられていて、プレゼンテーションの流れが、抽象→具体→まとめという非常に綺麗な構成になっていました。キャンペーン動画を通じて、リスクを取るというカルチャーがあるだけでなく、働くスタッフやその家族まで大切にする素晴らしい会社であることがダイレクトに伝わってくるプレゼンテーションでした。

番外編:カスタマーサクセスのミュージカル⁈

あまり真似できる企業はいないのではと思い、番外編としたのですが海外企業の取り組みで面白いものがあったのでご紹介します。
「カスタマーサクセスの黒船」とも称されているGainsightの自社イベントPulse2016では、カスタマーサクセスをテーマにしたミュージカルが上演されました。

カスタマーサクセスについて全く知らない12歳の女の子が、カスタマーサクセスの仕事について母親から教えてもらうというストーリー形式で進んでいきます。面白いなと思ったのが、誰もが知っているディズニーの名曲の歌詞をカスタマーサクセスに関する内容に変えて伝えていることです。クオリティが非常に高く内容もわかりやすくて面白いので、こちらはオフラインのイベントでしたが、オンラインでやったとしても離脱率はきっと低かっただろうと思います。

以前、Gainsight CEOのニック・メータさんにもご登壇いただいたことがあるのですが、その際「BtoB業界だとしても、働いている人やお客様にとって人間的な喜びや楽しみは非常に重要」と仰っていたのが印象的でした。ニックさんが大切にされていることが反映されたイベントだなと強く実感しました。

これらの海外事例から、プレゼンテーション中に動画を活用するメリットや活用方法がお分かりいただけたかと思います。スライドだけでは動きを出しにくいですが、動画を活用することでメリハリをつけられるので、途中離脱や流し見を防ぎたいとお考えの方はぜひ試してみてください。


海外のトップランナーを呼んだウェビナー/オンラインイベントの企画支援は私たちにお任せください。