セミナーで成果を出すための企画時の7つのポイントを徹底解説

セミナーで成果を出すための企画時の7つのポイントを徹底解説

Published On: 2024年3月5日Last Updated: 2024年3月5日

セミナー担当者が抱える課題の1つが、「継続的に成果の出るセミナーを開催すること」です。見込み顧客の関心をうまく引きつけ、セミナーでビジネス成果を上げるためには、テーマや登壇者の選定、予算配分、そしてKPIの設定と計測といった、長いプロセスをクリアする必要があります。

この記事では、BtoB企業のセミナー担当者がセミナーを成功させるために必要な企画段階の7つのポイントを詳しく解説します。

セミナー企画の流れ 

 まずは、セミナーを企画する際の全体像を見てみましょう。企画段階では、以下の7つを進めていきます。 

1. 目的を明確にする 
2. ターゲットに関する情報を収集・整理 する
3. セミナーテーマを設定する 
4. KPIを設定する 
5. 登壇者を選定する 
6. 予算配分を決定する 
7. 開催日時と配信方法を決定する 

それぞれ詳しく説明します。

1. 開催目的を明確にする 

セミナーを企画する際の最初のステップは、「目的を明確にすること」です。セミナーを開催する目的には様々なものがありますが、主なものとして、以下の6つを挙げることができます。

①認知獲得: 新たな顧客を獲得するために、幅広いテーマで大規模なイベントを開催します。例えば、業界のリーダーや有名人を登壇者に招いて、話題性や集客力を高めます。

②リード獲得: 見込み顧客を獲得するために、自社サービスに関連したテーマでセミナーを開催します。参加者の関心を引きつけるために、参加者の課題に沿った有益な情報や専門知識を提供します。

③リード育成(ナーチャリング): 興味を持った見込み顧客にさらに関心を持たせ、自社サービスの導入へとつなげるために、既存顧客の成功事例や自社が独自で持つ専門知識を共有するセミナーを開催します。

④商談獲得: 自社サービスの購入を促進するために、個別相談会やハンズオンセミナーなどの商談獲得に適したテーマでセミナーを開催します。参加者との直接的なやり取りを通じて信頼関係を築き、商談につなげます。

⑤クライアントとの関係性強化: クライアントからの信頼やロイヤリティを高めるために、クライアントに特化したクローズドのセミナーを開催します。特別感を演出し、クライアント同士のネットワーク拡大やビジネスチャンスの創出を図ります。

⑥コミュニティ形成: セミナーを通じて特定の領域に関するコミュニティを形成し、参加者同士の交流を促進します。直接的な受注というよりも、定期的に開催することで、業界のブランド認知や口コミでの広がりを目指します。

目的に合わせてセミナーを計画・実施することで、ビジネス成果を最大化することができるため、まずは6つのうち、どれを開催目的にすべきかを考えましょう。

2. セミナー参加者に関する情報を収集・整理する

セミナーを開催する目的が定まったら、「参加してもらいたいターゲットの特定」を行います。自社のサービスに関心を持ち、営業成果につながる見込み顧客を効率的に集めるためには、以下の2つの方法があります。

①営業担当者にヒアリングを行う
・営業チームが持つ顧客情報やKPIを活用し、セミナーの企画に活かす。
・既存顧客のプロファイル情報やニーズ、購買行動、市場動向を把握する。

②データ分析をする
・ハウスリストのデータを分析し、見込み顧客像に関する情報を得る。
・AIを活用してパターンや特徴を抽出し、効果的なターゲットを特定する。

これらの方法を組み合わせて、ターゲットに関する情報を収集・整理しましょう。

3. セミナーテーマを設定する 

ターゲットが定まったら、次はセミナーテーマを設定します。セミナーテーマの設定の仕方は、以下のプロセスで行うのがおすすめです。

①自社サービスに関連するキーワードを抽出
まずは自社サービスが提供する価値とターゲットの関心事が交差するテーマをキーワードで洗い出します。この際におすすめなのが、マインドマップの活用です。自社のサービスに関連するキーワードをマインドマップで整理しましょう。例えばセミナー運営代行会社なら、「セミナー」を中心に関連キーワードを並べ、見込み顧客の課題を考えます。ポイントは、参加者が共感しやすいテーマを選ぶことです。

②見込み顧客の課題を考える

キーワードを抽出しマインドマップで自社サービスを整理したら、それぞれのキーワードに関連する見込み顧客の課題を洗い出します。
例えば、「企画」に関連する課題として「成果の出るセミナー企画が思いつかない」が考えられます。自社はセミナー運営代行サービスを提供しているため、「商談化率30%を実現させるセミナー企画の考え方」というタイトルのセミナーを開催すれば、リード獲得につながるでしょう。
このように、「自社のサービス価値」と「顧客の課題」をつなげて、参加者にとって魅力的なテーマを見つけましょう。

4. セミナー実施におけるKPIを設定する 

テーマが決まったら、次はKPI(Key Performance Indicators)の設定です。一般的なセミナーに関するKPIを紹介します。

●企画・集客段階で見るべきKPI
・メールの開封率とクリック率
・リード獲得単価
・セミナー登録者数

●実施当日に見るべきKPI
・当日の参加率
・平均滞在時間/離脱率
・参加者のエンゲージメント

●ウェビナー実施後に見るべきKPI
・アンケート回答率
・CTAコンバージョン率

目的によって重要となる数値が異なるため、全てのセミナーで同じKPIを掲げる必要はありません。成果を出すために適切なKPIを設定し、効果的な分析を行いましょう。

5. セミナー開催の予算配分を決定する 

KPIが決まったら、予算配分を決めます。セミナー開催に必要な費用項目を大きく3つに分けてご紹介します。

① プラットフォーム利用料
Zoomでウェビナーを開催する場合は、プロプランとウェビナープランの2つの契約が必要となっており、月額12,825円(2024年3月時点)で開催可能です。

② 広告費
自社のリスト数が少ない場合は、Web広告やDMなどを活用して集客します。広告費にはバナーやランディングページ制作などのクリエイティブ費も含まれます。また、各種イベントプラットフォームの掲載費用も考慮します。一般的にBtoBセミナーのリード獲得単価は1万円程度と言われているので、集めたい人数分×1万円を広告予算とします。(※テーマや業界により変動あり)

③ 登壇謝礼金
外部の方に登壇を依頼する場合、登壇謝礼金が発生する場合があります。講演業を主とする場合は数万円から、有名人や著名な登壇者の場合は数十万円以上が相場です。また、海外からの登壇者を招く場合はさらに高額になることがあります。

これらの費用を適切に配分し、セミナーの成功に向けて有効活用しましょう。

6. セミナー講師を選定する 

イベントの集客力を上げるためには、登壇者も非常に重要な要素です。登壇者の専門性や権威性が高い場合、より多くの人の興味を惹くことができます。

 ここでは、セミナーの登壇者を選定する際に考えられるパターンを5つご紹介します。

① 社内登壇:自社社員が登壇する場合、コストを抑えながらも顧客との関係構築に活かせます。

② 共催:他社との協力でセミナーを開催し、リソースを最適化します。

③ 外部登壇:外部の専門家やSNSでつながった人物などを招待して、集客コストを下げます。

④ 代理店利用:登壇者手配の専門代理店に依頼し、話題性や差別化を追求します。

⑤ 顧客登壇:自社の顧客に成功事例を語ってもらい、参加者に寄り添ったストーリーを伝えます。

セミナー講師の具体的な探し方については、こちらの記事(https://toprunner-marketing.co.jp/knowhow/20240304/)で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。 

それぞれの特徴を踏まえ、自社の状況に合った選定方法を選びましょう。

7. セミナー開催日時と配信方法を決定する

最後に開催日時と配信方法を決定します。ここでは、効果的な開催日時と適切な配信方法について解説します。

水曜日か木曜日がおすすめ

開催日については、水曜日か木曜日が最適です。アメリカのON24の調査によると、セミナーの参加率が他の曜日よりも高いことが示されています。週の真ん中に位置するため、締め切りなどの忙しい業務が少なく、夜の時間帯でも参加者が集まりやすいからです。一方で、月曜日や金曜日は避けることがおすすめされます。これにより、ビジネス系のウェビナーであれば、より多くの参加者を集めることができます。

時間は午前10時~11時がおすすめ

開催時間帯については、イギリスのGoToWebinarの調査によれば、午前10時~11時頃が最も参加率が高いとされています。ただし、ターゲットの勤務パターンに合わせて調整することも重要です。

ライブ配信だけじゃない!4つのセミナー配信方法

配信方法は、ライブ配信、録画配信、ハイブリッド型配信、自動化型配信の4つに分けられます。それぞれにメリットとデメリットがありますので、自社の状況や目的に応じて適切な配信方法を選びましょう。

①ライブ配信:リアルタイムで参加者とコミュニケーションを取りながら配信するスタイルです。対話性を重視する場合に適していますが、時間の制約があります。

②録画配信:動画をサイトに置いておき、いつでも視聴できる形式です。オンデマンドで視聴できる利便性がありますが、参加者とのコミュニケーションが難しい点がデメリットです。

③ハイブリッド型配信:対面セミナーとオンラインセミナーを組み合わせた形式です。柔軟な参加環境と対話性を両立させることができますが、会場の確保や運営リソースがかかる点が懸念されます。

④自動化型配信:事前に収録した映像を流し、参加者の質問にリアルタイムで回答する形式です。運営側のリソースが不足している場合に適していますが、動画の内容は変えられないので対話性が限られる点に注意が必要です。

初めてセミナーを開催する方は、まずはライブ配信でセミナー運営に慣れてから他の形式で配信を試すことをおすすめします。

おまけ:外部登壇依頼時に使える!セミナー企画書テンプレート

「6.登壇者を選定する」で、登壇者を探す際に外部の方へセミナー登壇を依頼する方法もご紹介しました。その際、先方に検討いただくために重要となるのが「セミナー企画書」です。コピーして使えるセミナー企画書テンプレートをご用意しました。ぜひ外部の方へ依頼する際にご活用ください。

セミナーを企画する際の全7ステップを解説しました。まずは、セミナーを開催する目的を明確にするところから始め、ターゲットや登壇者など細かい部分を決めていきましょう。

株式会社トップランナーマーケティングでは、海外スピーカーを招いたオンラインセミナーを企画段階からサポートしています。他社との差別化や集客力アップを図りたい方はお気軽にご相談ください。