海外視察の成功事例:海外で事業成長のヒントを掴んだ日本人経営者とは?
テレビ東京の『カンブリア宮殿』を観たり、創業秘話をまとめた書籍を読んだりしていると、「経営者が参加した海外視察がきっかけでビジネスのヒントを得て、事業成長につながった」という話を知ることが多いです。
というわけで、この記事では「海外視察で事業成長の糸口をつかんだ日本の経営者の成功事例」をご紹介します。
1.トヨタ自動車
1950年、トヨタ自工(現・トヨタ自動車)の豊田英二常務(当時)は、アメリカの自動車産業を視察し、フォード社で研修を受けました。 この研修では、フォード社の工場などを見学し、最新の生産技術や大量生産方式を学びました。特に、フォード社の生産規模や効率的な生産方式に触れたことで、日本の自動車生産における課題と改善点を明確に認識しました。この経験は、後のトヨタ生産方式(TPS)の確立に大きな影響を与えたと言われています。
また、この生産方式の根幹には「ジャストインタイム(JIT)」という考え方があります。これは、「必要なものを、必要な時に、必要なだけつくる」という理念に基づいており、アメリカのスーパーマーケットの在庫管理システムから着想を得たそうです。フォード社から学んだトヨタ自動車が、今や世界を代表する自動車メーカーになっている点が興味深いです。(私が現在住んでいるカナダでもTOYOTAをはじめとする、日本の自動車は非常に人気が高いです)
2.丸亀製麺(トリドールホールティングス)
丸亀製麺が海外でも大人気なのをご存じですか?カナダでも、バンクーバーに2024年の3月に丸亀製麺がオープンし、行列が話題になりました。私のママ友であるブルガリア人は、「家族全員丸亀が大好きで、ハワイでもイギリスでも食べたし早速バンクーバーまで行って食べてきたわ!」と言うほどの大ファンです。
創業者の粟田貴也氏は、ハワイを訪れた際に現地の雰囲気や人々の食文化に触発され、海外展開の可能性を感じました。特に、ワイキキで見つけた空き物件に強いインスピレーションを受け、直感的に「ここに丸亀製麺を出店すれば成功する」と確信したそうです。
天ぷらの衣の質感を現地の人の好みに合わせるなどのローカリゼーションを行いました。ワイキキ店は国内外の丸亀製麺の中でナンバーワンの売上を誇る店舗となっています。 この成功を機に、丸亀製麺は積極的な海外展開を進め、2024年時点で海外に約350店舗を展開しています。
3.ユニクロ(ファーストリテイリング)
創業者の柳井正氏は、学生時代にアメリカやヨーロッパを旅し、特にアメリカへの憧れが元から強かったそうです。ユニクロの初期のコンセプトは、「アメリカで見た大学生協のような店」でした。ただ商品が並べられていて、店員が積極的に話しかけてこず、客が自分でほしい商品を探してレジに持って行くという、今では当たり前の光景に衝撃を受けたそうです。
ユニクロが軌道に乗ってからも、何度も先人の知見を求めて柳井氏は世界中を飛び回っています。有名なのは、GAPのビジネスモデルに影響を受けて製造小売業(SPA)にいち早く着手したことです。
他にも、情報を活用した情報製造小売業への転換はスティーブ・ジョブズ氏から、ECサイトの運用課題の解決はアリババのジャック・マー氏から、「ユニクロとは何か」を世の中に広めるためのヒントはNIKE創業者のフィル・ナイト氏から学んだそうです。柳井氏は学生時代からかなりの読書家で、他にもマクドナルド創業者のレイ・クロック氏やデール・カーネギー氏などの本を何度も読むことで、国内外の思想や手法を取り入れています。
4.日清カップヌードル(日本食品)
創業者の安藤百福氏の話は、NHKの朝ドラ「まんぷく」で紹介されていたので、ご存じの方も多いかもしれません。ビジネスのターニングポイントとなったのは、1966年、「チキンラーメン」を世界に広めようと考えた安藤氏が、欧米へ視察旅行に出かけた時のこと。現地で訪れたスーパーの担当者たちは、「チキンラーメン」を小さく割って紙コップに入れ、お湯を注ぎフォークで食べはじめました。これを見た安藤氏は、アメリカにはどんぶりも箸もない、つまりインスタントラーメンを世界食にするためのカギは食習慣の違いにある、と気づいたのです。そしてこの経験をヒントに、麺をカップに入れてフォークで食べる新製品の開発に取りかかりました。
カナダでも日清カップヌードルはアジア系のスーパーで多く見られ、日本よりも2~3倍の値段で売られています。世界中で人気を集めていることがうかがえます。
イーロン・マスクなどの有名IT企業の社長、海外セレブや政治家をイベントに招いた場合の講演謝礼については、過去に記事にしております。ご興味がある方は、こちらも併せて読んでみてください。
実際の謝礼や条件について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください:
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