メルマガの開封率を上げるタイトル(件名)の作り方【実例付】

メルマガの開封率を上げるタイトル(件名)の作り方【実例付】

Published On: 2025年1月22日Last Updated: 2025年1月30日

BtoBマーケティングでメルマガの成否を分ける最初の分岐点は、メルマガのタイトル(件名)です。毎日数多くのメールが届いている中で、受信者の目に留まり、開いてもらうためには開きたくなるような件名をつけることが重要です。そもそも開封をしてもらえないと、イベントの告知や新サービスのお知らせなど、届けたい情報を伝えることができず、ビジネス成果につなげられません。

イベント集客ではメルマガが最も効果的

海外のウェビナープラットフォーム企業である「GoToWebinar」の調査によると、回答者の57%が「メルマガがイベントプロモーションで効果的である」と回答しました。その他の集客チャネルと比較しても圧倒的な差をつけていることがわかります。

そのため、イベント集客数を最大化させるためには、件名を工夫することで少しでも開封率を上げることが重要です。この記事では、実際に私が受信して開封したくなったメルマガの事例を交えながら、開封率を上げるための集客メルマガの件名のポイントをお伝えします。

1.件名に有名企業名を入れる(例:OpenAI登壇!)

イベント登壇者の所属企業が有名な場合、企業名を件名の最初に入れることで開封率を高めることができます。特に、その企業が特定の業界でトップランナーとして認知されている場合、読者の関心を引きやすくなります。

実際に、弊社のクライアント様が実施したイベントで、Googleのプロダクトマーケティングマネージャーにご登壇いただいた際、告知用メルマガを4回配信されました。その中で最も開封率が高かった件名は、「Google登壇!」 から始まるもので、イベント申込のCVR(コンバージョン率)も向上する結果となりました。

私が受信した他社様の集客メールのタイトルでも、以下のように「元P&G執行役員が登壇!」や「三井物産における‥」といったように、メルマガの件名の冒頭で有名企業名を打ち出しています。

●他社様の実際のメールサンプル:

2.件名に登壇者名を入れる(例:イーロン・マスク登壇!)

登壇者自身の名前が非常に有名な場合も、件名に入れることで開封率を大きく向上させることができます。 例えば、「イーロン・マスク氏登壇!」とあれば、ほとんどの人がすぐに開封するでしょう。(もっとも、彼の謝礼は3億円以上とも言われているので実現可能性は低いですが…)

より現実的な例としては、オードリー・タン氏、堀江貴文さん(ホリエモン)、池上彰さん などの著名人をイベント登壇者として招き、名前を件名に活用するのがおすすめです。有名人が登壇するイベントの告知メルマガでは、ぜひ件名にその名前を入れましょう。以下のサンプルでも、「孫正義登壇」や「池上彰氏登壇」と、メルマガの冒頭に著名人の名前を入れて、開封率アップを促しています。

●他社様の実際のメールサンプル:

各業界における著名人をイベント登壇者に招くことで、より効果的に参加者を集めることができます。例えば、マーケティング業界であればフィリップ・コトラー氏、UX業界であればヤコブ・ニールセン氏といった具合です。特定の分野における、知名度の高いトップランナーを特定することが重要です。

3.件名に本など代表作名を入れる(例:『LIFE SHIFT』著者登壇!)

Amazonベストセラー著者など、何か有名な作品がある方に登壇いただく際には、本や映画などの作品名を打ち出すことで、その作品に関心のある人の興味を引くことができます。

●他社様の実際のメールサンプル:

『多様性の科学』『失敗の科学』著者のマシュー・サイド氏や『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』著者であるリンダ・グラットン氏、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のモデルとなったジョーダン・ベルフォート氏などが該当します(ちなみに彼らのイベント登壇は弊社でも企画ご支援可能です!)。

4.ノウハウ推し(例:ゼロから始める共催セミナーの進め方)

特定の課題感を持つ層にアプローチしたい場合、その課題の解決方法を伝えることを訴求すると「解決の糸口が得られるかもしれない」と思ってもらえ、開封してもらえる可能性が高まります。

このパターンは1~3で挙げたようないわゆる”ブランド”推しではなく、”コンテンツの中身推し”の場合に有効です。

ノウハウ推しの際は、ターゲットを明確に定め、彼らの持つ課題感からキーワードを選定すると良いでしょう。

以下のSalesforceのメルマガの例は、セミナー告知のメルマガではないですが、件名が「営業トーク台本の作り方」となっています。非常にシンプルですが、営業初心者の方で自分のセールストークに課題感を持っている人は、つい開けたくなる件名だと思いました。

●他社様の実際のメールサンプル:

5.件名で数値実績をアピールする(例:商談獲得数30%UP!)

4のノウハウに関連しますが、具体的な数字を挿入できる場合は数値を入れた方が説得力がより増します。EC担当者向けであれば、「リピート購入率20%アップ」、人事担当者向けであれば「応募者数を3倍に!」など、各ターゲットの持つ課題に関連するキーワード×具体的な数字で訴求すると良いでしょう。

以下のメルマガの実例では「18万人が参加した世界最大級のAIイベント」と参加人数の実績を、件名でアピールしています。また、「年624時間の業務時間を削減」と、導入の成果を数値で表しています。

●他社様の実際のメールサンプル:

6.問いかけ型(例:セミナー動画を活用しきれていますか?)

読者に疑問を投げかける、セールスコピーの本にもよく出てくる手法です。ピンポイントの内容を質問されているので、自分ごととして捉えやすくなります。また、BtoBのメルマガでは、このような形式の件名をあまり見かけないため、他社との差別化の意味でも効果的です。

●他社様の実際のメールサンプル:

7.調査レポート(例:1万人の調査から分かった最新のセミナー最適解とは)

業界の調査レポートは、最新のトレンドを把握するためについ開いてしまうものです。例えば、私の場合は、海外のウェビナー企業が毎年実施している調査レポートを欠かさず見ています。

少し手間と予算はかかりますが、Web調査などでデータを集めて調査レポートにまとめれば、セミナーのネタだけでなく、ホワイトペーパーやSNS、営業資料など幅広く活用することができます。

もったいないメルマガ実例集

ここからは、「もったいない」と思った、実際に届いたメルマガをご紹介します。

1.プリヘッダーテキストを編集していない

プリヘッダーテキストとは、メールを開く前に表示される文章(赤枠部分)のことです。

画像

このように差出人・件名に続き、メール本文内のテキストが少しだけ表示されるのですが、この文章部分は編集できます(配信メールツールによる)。編集しないと、ただメール本文のテキスト部分が表示される仕様になっています。

また、表示画面の大きさに応じて、表示される文字数は変わります。つまり、受信者がメールを開く/開かないの判断材料としては、差出人・件名だけでなく、このプリヘッダーテキストも含まれるというわけです。そのため、件名には入れられなかった重要な情報をプリヘッダーテキストに入れ込むことで、受信者の目に留まり開封してもらえる可能性を高められます。
編集していない企業をチラホラ見かけるので、ぜひ配信前に編集できるかどうかを確認してみてください。(件名がすごく長い場合、プリヘッダーテキストはほとんど表示されません)

2.件名の最初が「PR:」になっている

恐らく有料広告配信時のルールで、その配信会社では「PR:」と件名に表記しないといけないのだと思いますが、読者が最初に目にする2文字に入れてしまうのは非常にもったいないと感じました。なんとなく「PR」や「広告」と入っているだけで、読み手はセールスされているような気分になるため、できるだけ入れない方が良いでしょう。

3.【無料】を打ち出す

日本のBtoBのイベントでは、よほど登壇者や会場が豪華な、クローズドなイベントでもない限り、有料のものはほとんどないのが現状です。そのため、イベント参加費が無料であることは他社との差別化にはならないので使わない方が良いです。また、参加者としては有料でも、内容をどうしても知りたければお金を払って参加するはずです。

4.『メルマガ「〇年〇月号」』を冒頭に入れる

【〇年〇月号】とメルマガの件名の冒頭に入れているパターンです。ものすごい量のメルマガが毎日たくさん届いているはずなので、読者にとってそのメルマガが今年の何月号であるかは、全く響かないでしょう。それよりもメルマガの中身で何を伝えているかをしっかり伝えるべきです。

5.「セミナー開催のお知らせ」や【新着セミナー】で始まる

「セミナー開催のお知らせ」や【新着セミナー】をメルマガの件名に入れてしまうのも、結構やりがちなよく見かけるパターンです。よほどその企業のセミナーのファンで毎回参加していない限り、メールを開かないのではないかと思います。

受信者の気持ちとしては「新しいセミナーを見たい」のではなく、「自分の課題を解決してくれそうな情報を得たいと思ってメルマガを開いてみた結果、セミナーだったから申し込んだ(=セミナーじゃなくてホワイトペーパーでも記事でも良い)」です。セミナーのお知らせは他社もたくさん送っているため、やはり内容で訴求すべきだと思います。


メルマガのリードがそもそも不足しているという方は、「リード獲得単価1000円以下を実現する方法」という記事でノウハウをお伝えしているので、そちらも合わせてご覧ください。

ネタがない!そんな時におすすめなのが「海外インタビュー」

メルマガのコンテンツを作るのって結構大変ですよね。ましてやマーケティング担当のカバー領域の広さといったら‥。「今週は何を書こう‥もうネタがない!」とお困りの方も多いのではないでしょうか。

そこでおすすめなのが、「海外インタビュー」です。コンテンツ戦国時代の今、最も価値があるのはずばりネットに載っていない情報です。海外インタビューでは、グローバル企業がどのように営業マーケティング活動を行っているのか、成功・失敗事例は何か、成果を出すためにどのような改善策を打っているのかなど、具体的なお話を最前線で活躍している方に聞くことができます。日本との比較をしてみても面白いですね。私もまさに今取り組んでいるのですが(今週はSalesforceの方にイベント企画についてお伺いしたところです)、毎回非常に面白い話が聞けます。これらの情報は、どう頑張っても足で稼ぐしかありません。英語や時差の壁もあります。

私たちが提供しているサービス「グローバルインサイトコレクト」では、指定の条件に合致する海外トップランナーにインタビューできます。英語が苦手でも弊社メンバーに全て丸投げOKです。質問リストをお伝えいただくだけで一次情報を得ることが可能です。その内容をもとに弊社が記事や動画を制作いたします。内容をセミナーで使っても、ホワイトペーパー化しても、SNSやメルマガで発信しても良いですね。関心がありましたら、ぜひご相談ください。