Salesforceに学ぶ動画マーケティング戦略

Salesforceに学ぶ動画マーケティング戦略

Published On: 2025年1月22日Last Updated: 2025年1月31日

2025年のマーケティング戦略はもうお決まりですか?

21万人以上のコンテンツマーケティング担当者で構成されているContent Marketing Instituteが発表した、BtoB企業のマーケティング担当者を対象にした調査によれば、回答者の61%が「2025年に動画への投資を増やす」と回答し注力施策のトップとなりました。

しかし、BtoCと異なり、BtoB企業における動画の活用はまだ全体的に手探りのような印象を受けます。そこで、今日は海外のBtoB企業として有名なSalesforceがどのように動画をマーケティング活動に活用しているか、独自の視点で調査した内容をお届けします。自社のマーケティング活動の参考になれば幸いです。

①自社サービスはとにかく動画でアピール

Salesforceの海外版サイトでは、BtoB動画マーケティングを積極的に活用し、製品の魅力を短時間で効果的に伝えています。トップページのファーストビューから自動で動画が再生され、製品イメージが伝わりやすくなっています。これは、BtoB企業のリード獲得戦略としても重要なポイントです。

一方で日本版サイトには動画の埋め込みがなく、おそらく日本語への対応が原因と考えられますが、どちらのサイトも「無料で試す」「製品デモを見る」というCTAがあり、動画への誘導を重視しています。BtoB企業サイトに多い「無料相談」「資料請求」ではなく、動画での体験提供が特徴的です。また、新リリースのAIプロダクト「Agentforce」のサービスページでも、動画がファーストビューに活用されており、アメリカ版では「Agentforceとは何か」「Agentforceの活用方法」「カスタムエージェントの作り方」といった動画が紹介されています。

Agentforce以外の製品ページにおいても、以下のようにサービスページの上部に短いサービス紹介動画を積極的に埋め込むことで、見込み顧客の理解を促進しています。

Salesforceの動画の特徴としては、各サービスを象徴するキャラクターがおり、それらをアニメーションで活用している点です。お堅い印象を与えやすいBtoBでも、親しみやすい動画になっています。(例えば、EinsteinというAIプロダクトでは、その名の通りアインシュタイン博士を模したキャラクターが存在する。他にもクマやヤギ、キツネなど様々な動物のキャラがいる。)

②トップランナー×オンデマンドウェビナーで新規リード獲得

Salesforceは、ライブ配信型のBtoBウェビナーだけでなく、オンデマンドウェビナーを活用し、BtoB企業としての新規リード獲得に成功しています。特に、『チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」』の著者であるマシュー・ディクソン氏が登壇したウェビナーは、視聴前にフォーム入力が必要な仕様となっており、効果的なリード収集手段となっています。ディクソン氏は営業分野のトップランナーとして知られ、同書は全米で40万部以上のベストセラーとなっています。

ウェビナーのテーマも「AIが営業の効率性と生産性を向上させる方法」や「顧客の優柔不断さを克服し、AI、データ、CRMで売上成長を加速する方法」など、AIと営業を組み合わせた最新の内容で、参加者の関心を引きつけています。

ちなみにマシュー・ディクソン氏のオンライン登壇費用は約200~300万円です。一見、高額に感じますが、このように継続的なリード獲得のコンテンツとして動画を活用すれば、費用対効果をしっかりと見込めます。(マシュー・ディクソン氏の登壇支援も可能です!)

③豊富な学習用動画コンテンツ

Salesforceは、新規リード獲得用とは別に見込み顧客やユーザーの学習用動画も豊富に用意しています。例えば、Salesforce+では、Dreamforceをはじめとする同社が開催したさまざまなイベントのセッションをBtoB動画コンテンツとして無料で提供。特にSalesforceのイベントマーケティング戦略を学びたいBtoB企業には、実践的なインサイトを得られる貴重な機会です。Trailblazerのアカウントを作成してログインする必要はありますが、Googleアカウントなどで簡単に登録してすぐに見られるのも手軽で良いです。

中でも「Trailblazer」というシリーズでは、5人の登場人物に焦点を当て、Salesforceを活用してどのように人生を向上させたかをドキュメンタリー形式(全11話×約10分)で伝えています。思わずNetflixかな?と思ってしまうくらい、海外ドラマのようなクオリティです。

このシリーズはただ顧客のサクセスストーリーを簡単に伝えるのではなく、どのような課題があってそれをどう乗り越えたかを動画で伝えているため、ストーリー性のある視聴者の心に訴えかける内容になっています。

Salesforce+だけでなく、Learning(学習コンテンツ)タブをクリックすると、業界別や職種別に役立つ様々な短い動画を無料でフォーム入力なしに見ることができます。

もちろん、これだけ動画コンテンツが充実しているため、YouTubeチャンネルの活用もしっかりしています。Salesforceのチャンネル登録者数は82.4万人(2024年10月30日時点)と、他の海外BtoB企業と比較してもかなり多いです。(※参考:Zoom:52.8万人、HubSpot Marketing:45.6万人)

YouTubeチャンネル戦略については、長くなってしまったのでまた次回解説します!

現役Salesforceの話が聞けるイベント

先日、Salesfoceの方に同社のイベントマーケティングの取り組みに関してインタビューをさせていただきました。一大イベントであるDreamforceの話を中心にBtoB企業がイベントを成功させるための秘訣をお伺いしたので、ぜひご覧ください【Salesforce現役社員にインタビュー】!