海外スピーカーをイベントに招く方法を徹底解説

海外スピーカーをイベントに招く方法を徹底解説

Published On: 2025年2月6日Last Updated: 2025年2月6日

なぜこんな弊社としては商売上がったりになる可能性のあるリスキーなテーマにしたのかというと、一言でいえば「もっと海外情報を身近にしたい」からです。

去年からカナダに移住したのですが、日々実感するのが、英語圏の圧倒的な情報量の多さ&鮮度の高さです。日本に流れてくる情報は、誰かが取捨選択し、日本語訳された後となるため、その時点で海外よりも遅れています
また、AIがこれだけ進歩した今、企業にとって自社だからこそ出せる独自性の高い情報の価値が高まります

これらを踏まえると、自分たちで海外の方にアプローチし、一次情報を集めて自分たちならではの情報として発信することが、これからのAI時代に、もっと重要になると信じています。

しかし、海外情報を発信するためにはノウハウが必要です。そこで、設立当初から今まで、OpenAIやGoogleなどの有名企業からAmazonベストセラー著者の方まで、様々な海外トップランナーとお仕事をしてきた弊社のノウハウを大公開します。
ぜひ、お伝えするノウハウを実践し、来年のマーケティング施策として、海外トップランナーとの情報発信を試してみてください。

海外スピーカーを招くメリット

まず、海外スピーカーを起用するメリットをクライアント様の事例をベースに解説します。

①海外スピーカーの登壇でイベント集客力を最大化

サテライトオフィス様のオンラインイベントに元OpenAIのGTM責任者の方に登壇いただいたところ、2,000名集客目標のところ、なんと7,000名以上の参加申込みがありました。他社イベントとの差別化に悩まれていたため、想像以上の成果にお喜びいただけました。

「サテライトオフィス主催 デジタルEXPO for AI」のイベントバナー。元OpenAI GTM(市場進出戦略責任者)の Zack Kass氏 が登壇。キャッチコピーは 「OpenAIマネージャー登壇!ビジネスパーソン必見のAIファースト生存戦略」。
サテライトオフィス様主催デジタルEXPO for AI

②イベント参加者満足度を高められる:途中退出者ゼロ&満足度9.4点/10点

ニジボックス様が毎年開催する1日がかりの大型イベント「UIUX Camp!」は、毎回3,000人以上の申込を誇る人気イベントです。元フォートナイトUXディレクターのセリアさんに登壇いただきました。数あるセッションの中でも、途中退出者がゼロ。視聴者満足度は10点満点中9.4点となりました。

「UI UX Camp! 2022 | ニジボックス主催のUXデザインイベント」
ニジボックス(NIJIBOX)主催のUI/UXデザインに特化したカンファレンス「UI UX Camp!」。
2022年3月26日(土)開催。Epic Games(フォートナイト開発)元UXディレクター Celia Hodent 氏が登壇。UXコンサルタントとしての知見をもとに、ゲーム業界やデジタルプロダクトのUXデザイン戦略を解説。
ニジボックス様主催UIUX Camp!2022

③メディア露出機会が増える

Resily様のウェビナーでは、フォード自動車の方2名をお招きし、同社におけるOKRの活用についてお話いただきました。このセミナーの内容を翔泳社様のプロダクト開発に特化したWebメディアProductZineにて記事化いただきました。

「OKR運用の成功ポイント | Resily主催オンラインセミナー レポート」
ProductZine掲載のイベントレポート記事。Resily主催のオンラインセミナー「フォード流!OKR実践のリアル」 の内容を紹介。
フォード自動車のプロダクトマネージャーが、OKR(Objectives and Key Results)を正しく運用するための7つのポイントを解説。
セミナー講演者のビデオ会話のスクリーンショット画像。
Ford自動車のプロダクトマネージャー2名が登壇した内容が記事化

④営業・マーケ成果を生む海外イベントの成功事例:商談化率10%・休眠リードの復活

ギブリー様のオンラインイベントには、Meta歴10年のべテランエンジニア採用マネージャーオースティンさんに登壇いただきました。このセミナーの商談化率は10%超を記録
また、国内大手MAツール企業様からは「何をしても動かなかった休眠リードが、元Google社員登壇のセミナー告知メルマガきっかけで動き、商談化できました!」というご報告もいただいています。

このように、登壇者かぶりが発生しがちなBtoBイベントにおいて、海外トップランナーを招くことは、他社との差別化や営業・マーケ成果創出につながります。
それでは、海外スピーカーを自社イベントに招くための具体的なやり方を見ていきましょう。

STEP1:イベント概要・候補者像を可視化

「米国・日本の最前線テクニカルリクルーティング | AgileHR day セミナー」
DX時代のエンジニア採用戦略をテーマにしたオンラインセミナー(2021年11月25日開催)。
米Facebook(現Meta)リクルーティングマネージャーのAustin Bonner氏 が日本初登壇。
世界と日本のエンジニア採用の最新戦略を解説。
ギブリー様主催イベントにMeta現役社員が登壇

海外登壇者を探すにあたり、まずイベント概要と理想的な候補者像を確認します。これは国内のイベント企画時とほぼ同じプロセスかと思います。
このイベントがマーケティングファネルのどのフェーズに位置するのか(例:認知獲得・リード獲得・リード育成など)、ターゲットとする参加者が誰で、関心を持つ内容は何かなどを整理し、リストアップする候補者の条件とイベントの概要を以下のような形で整理します。これらは、実際に候補者を探し、オファーを送るために重要な項目となります。

●整理すべき項目

①登壇候補者の条件
・業界
・所属企業
・役職
・話してほしいテーマ

②イベントの概要・詳細
・開催日時
・ターゲット
・イベントの目的
・登壇形式:オンラインLIVE/事前収録/来日講演
・進行形式:プレゼンテーション/インタビュー/対談/Q&Aセッション
・提出/準備してもらいたいもの:写真、経歴、アジェンダ、動画、スライドなど
・各種〆切:いつまでに何を送ってほしいか
・提示する謝礼
・支払いに関する詳細:通貨、支払い方法、タイミング

🌟Tips:Salesforceの方から聞いた登壇者選びのポイント

先日インタビューさせていただいた、Salesforceのマリーさんによれば、登壇者選びのポイントは3つあります。「関連性」「多様性・包摂性」「聴衆を引き込む力」を挙げていただきました。

「登壇者選びの3つのポイント | イベント・カンファレンス成功の秘訣」
登壇者選定の重要なポイントを解説するスライド。
① 関連性: 参加者の関心に合ったトップランナーを選定(例: DX、AI、サステナビリティ)。
② 多様性・包摂性: テクノロジー分野だけでなく、スポーツ、エンタメ、セレブリティなど多様なリーダーを起用。
③ 聴衆を引き込む力: エンゲージメントを促進し、説得力やストーリーテリング能力が高い登壇者を選ぶ。

この中で特に注目すべきは、参加者との関連性です。これは、CxOなどの高い役職者をターゲットにする場合は、DXやAI、サステナビリティなど今、旬なテーマをトップランナー(同社ではSalesforceエヴァンジェリストと呼ぶ)に話してもらうそうです。
一方で、役職者ではない現場寄りの方をターゲットにする場合は、彼らが持つ課題の解決策を示唆する実用的な内容を話せるスピーカーを用意するとのことでした。

STEP2:イベント登壇候補者リストの作成

STEP1で登壇者像とイベント概要を明確にできた後は、登壇オファーをする候補者リストの作成に移ります。社内で共有しやすいように以下のようなスプレッドシートを作成することをおすすめします。

●候補者リストサンプル

海外スピーカー候補者リストdocs.google.com

🌟登壇候補者の探し方

登壇候補者リストを作る際に、弊社が主に活用しているソースは以下の5つです。各手法のメリット/デメリットもまとめているので参考にしてみてください。

1.海外のイベントページ

海外では盛んに様々なテーマでカンファレンスやEXPOが開催されています。(テーマ+conference、events、 expoなどで検索するとたくさん出てきます)ほとんどのイベントページには、スピーカーを一覧できるページがあるため、そこから登壇テーマと経歴を見て、イベントに良さそうな人がいたらリストアップしていきます。

〇メリット:登壇歴があるため話の進みが早い、登壇内容を確認できる
×デメリット:探すのに時間がかかる、謝礼が高い可能性もある

2.YouTube

YouTubeには、イベントのアーカイブ動画やインタビューに回答しているがたくさんアップロードされています。
私がよくやるのは、GoogleやHubSpot、Salesforceなどの大企業のYouTubeチャンネルのイベント動画をチェックすることです。資金力のある大企業のイベントには、集客力の高いスピーカーが登壇しているケースが多く、また登壇内容も動画で確認できるため参考になります。

〇メリット:実際の講演動画を確認できる、集客力のあるスピーカーを探せる
×デメリット:探すコツがいる、動画の内容確認に時間がかかる

3.LinkedInなどのSNS

登壇してほしい人の企業名や役職が明確になっている場合、特にLinkedInがおすすめです。日本でも最近少しずつ広まっていますが、海外のビジネスパーソンはほとんどLinkedInのアカウントを持っています。

LinkedInでの探し方は色々あり、
①プロフィールの情報から絞る→企業名や役職などの経歴やプロフィールに含まれるワードで検索。
②「投稿」や「イベント」から絞る→テーマを入力するとそれに関する投稿やイベントがヒットするのでそこから投稿者や登壇者をリストアップ。
あたりがおすすめです。
LinkedInは有料プランにアップグレードすると、よりアプローチ先が増えたり検索精度が上がるため、無料で物足りなくなったら課金を検討してみてください。

〇メリット:企業名+役職名をピンポイントで探せる
×デメリット:無料プランだと機能制限がある、登壇実績のない人が多いため話を進めるのに時間がかかることもある

4.海外記事

ForbesBloombergなどの海外ビジネス誌のウェブサイトや、Mediumなどのサイトにアクセスし、検索窓に関連するキーワードを入れます。
テーマに関連するインタビュー記事やニュース、ブログ記事がヒットすることがあるため、内容を見て登場する人の名前をシートにまとめていきます。

〇メリット:文章で内容を確認できる
×デメリット:情報量が少ない傾向あり

5.海外の支援会社

例えば、「インテントセールスを実践している海外有名企業の人に登壇してほしい」と思った場合、検索で見つけるのは至難の業です。こういう時は、海外の支援会社の事例から探すと良いです。
つまり、海外のインテントセールス支援会社のホームページの「お客様の声」や「成功事例」には、彼らの大手顧客の担当者がインタビューに答えているケースが多いので、そこから企業と名前を割り出します。
特定の領域における支援会社の大手を知りたい場合は、G2のようなサービス比較サイトで検索し、上位の企業のホームページを確認するのがおすすめです。

〇メリット:実名で担当者を割り出せる、既に出ている情報なので登壇OKな可能性が高い
×デメリット:探す手間がかかる、一気に情報を集められない


全体的な流れとしては
①候補者リストのシートを作る
②上記のリソースから候補者を探す
③名前を特定したらLinkedInでまずは検索
④出てきたらシートに転記(出てこなかったらLinkedIn以外の方法でアプローチできる方法がないか検索して転記)
という形でリストを作っていきます。

STEP3:登壇候補者へのオファー&交渉&確定

ここまでが下準備で、ようやく相手へのアプローチにうつります!
STEP2でリストが完成したので、ここでは「どの人に優先的にアプローチするか」を決めて実際にオファーを送り、イベント登壇に向けて詳細を詰めていきます。

🌟オファー送信にはLinkedInを使う

オファー送信の際に使うツールは、LinkedInが最もおすすめです。理由は、海外の方はほとんどビジネスSNSとしてLinkedInを活用しており、こういった初対面の人からのオファーへのハードルが低いためです。
(逆に日本のビジネスシーンでは一般的なFacebookは、海外ではプライベート用のイメージが強いため、避けた方が良いです)
無料プランだと多少アプローチ先の制限がありますが、つながり申請を駆使する、課金するなどの工夫してください。

初回オファー時の文面は簡潔にする

文面は、長いと読まれない可能性が高いため、簡潔に伝えることが重要です。ここでSTEP1で整理した内容が役立ちます。

文章のサンプルは以下です。(英語で送りましょう)

○○様
はじめまして、株式会社〇〇の××と申します。この度、「ソース(記事、インタビュー、動画、LinkedInなど)」を見て、弊社が〇月に開催予定の××をテーマにしたイベントに、ぜひあなたにキーノートスピーカーとして登壇
いただきたく、ご連絡差し上げました。登壇形式は~~で、60分間の登壇につき謝礼は○○ドルです。ご興味あればご返信お待ちしてます。
××より

1通目のオファーで反応があったら、2回目の返信時により詳しいイベント情報や各種条件を伝えて詳細を詰めていきましょう。

オファーを送信したら、候補者シートのK列「オファー」にチェックを入れ、L列の結果に進捗を記入していきます。
1日に10名ほどオファーを送り、2〜3日待っても返信がなければ、どんどん別の人にオファーを送っていきましょう。(めげないのが大事!)

具体的な交渉&調整は抜かりなく

登壇自体がOKになったら、次は具体的な条件決めに移ります。相手に特に同意を得なければいけないのは、
スケジュール(各種〆切など。LIVE登壇の場合は、時差があるので必ず確認する)
謝礼まわり(金額や支払方法、支払のタイミング、請求書ルールなど)
・動画や資料の取り扱い(ロゴの使用可否、二次利用の有無や配信方法など)
の3点です。人によっては、会社の広報チームに確認を取らないといけないため、きちんと最初の段階から条件を伝え交渉しましょう。

💀過去にあったトラブル
クライアント様から聞いた話で弊社の話ではないのですが、
ロゴの使用許諾:ロゴを使えると思って契約したのに、後から聞いたらロゴの使用がNGだった
時差の計算が間違っていた:通訳を用意してしまっていたため、コストがさらにかかってしまった
といったトラブルはよくあります。気を付けましょう。

🌟生中継の登壇時は「時差」に注意
日程については、時差があるので事前に実施可能な時間帯を確認しておきましょう。また、海外の方は世界中飛び回っている方も多いので、中継してLIVE登壇してもらう場合は、「登壇当日にどこにいるか」を必ず確認してください。サマータイム前後でも時間が異なるので、念入りに確認しましょう。

🌟Googleカレンダーに登録して認識齟齬をなくす
スケジュールが確定したら、登壇者と社内の関係者のGoogleカレンダーに予定を入れて知らせてください。Googleカレンダーであれば、相手の現地時間でのカレンダーで確認ができ、「時差が間違っていた」や「サマータイムを忘れていた」といったトラブルを防ぐことができます。

🌟外貨送金はWiseがおすすめ
謝礼の支払は、圧倒的にWise(旧TransferWise)(https://wise.com/)がおすすめです。手数料が他社と比較して安く、操作も簡単なため愛用しています。法人アカウントも作成可能です。

💰あの登壇者を呼ぶにはいくら?

ここで気になるのが、謝礼相場です。日本では、テレビで見かける芸能人をイベントに呼ぶのに大体200万円前後が相場ですが、海外では講演業の相場が全く異なります。今までお調べした謝礼相場を以下まとめてみました。

「登壇者の謝礼相場 | 有名スピーカー・役職者・マネージャーの講演費用」
登壇者の謝礼相場を3つのカテゴリー(著名人・プロスピーカー、有名著者・役職者・大学教授、現場マネージャー) に分類した図解。  著名人・プロスピーカー: 謝礼相場 2万~10万ドル以上(海外有名大学教授や創業者・役員)。
有名著者・役職者・大学教授: 謝礼相場 5,000ドル~2万ドル(元役員や有名企業の幹部)。
現場マネージャー: 謝礼相場 2,000ドル~5,000ドル(メディア露出の少ない企業担当者)。

もちろん、2000ドル以下や無料で登壇いただけるケースもあります。
ここからは、海外の著名なスピーカーの実際の謝礼金額をご紹介します。一見、高額ですが、集客力を高めたい大型イベントにおすすめです。
(※60分間のオンライン登壇を想定した金額)

オードリー・タン氏:15,000~20,000USD

オードリー・タン氏の公式プロフィール写真。

『LIFE SHIFT』著者リンダ・グラットン氏:20,000ポンド(約380万円)

『LIFE SHIFT』著者リンダ・グラットン氏の公式プロフィール画像。

『多様性の科学』著者マシュー・サイド氏:15,000USD

STEP4:契約締結

口頭で各種条件の合意を得たら、契約書を必ず締結しましょう。
契約はDocusignのような電子署名ツールを使うと良いでしょう。トラブルを避けるためにも、何かしらの形での契約締結を必ず行うことをおすすめします。

🌟著名スピーカーは「前払い」が一般的
海外の著名なスピーカーの場合、謝礼金額の相場は最低でも1万ドル、役職が高い方だと5万ドル以上になります(75万ドルの人もいました)。
そのため、予約金として契約直後に半額、残りはイベント実施の1~2週間前に支払いという契約のケースが多いです。金額が高額になるため、あらかじめ外貨送金の準備をしっかりしましょう。

STEP5:イベント実施前の準備

登壇形式によって準備は異なりますが、今回は事前収録型の登壇+LIVE Q&Aセッションを想定します。

事前収録型の登壇をおすすめする理由

海外スピーカーを招いたイベントの場合、主に以下の3パターンが考えられます。
①来日講演
②オンライン登壇のLIVE配信
③オンライン登壇の事前収録配信(+LIVE Q&Aセッション)

弊社では、③(+LIVE Q&Aセッション)の形式を最もおすすめしています。
理由は、①はコストが圧倒的に高いため、実現はかなりの予算がないと難しいです。②は60分間のプレゼンテーションをLIVE配信にする場合、通訳の負担がとても重く、一語一句すべて正確に訳すのは難しいです。また、業界特有の専門用語が適切に訳出できるかもリスクがあります。これは①にも言えることですが、当日ちゃんと時間通りに来てくれるかという不安や配信環境が安定しているかといったリスクもあります。
③であれば、事前にきちんと時間をかけて内容を翻訳でき、動画内のスライド資料も日本語版に差し替えることが可能です。本編の翻訳をしっかりすることで、正確な内容を確実にお届けすることができ、かつ当日参加者との質疑応答時間も確保できるため、弊社では③をご依頼いただくことが多いです。

それでは、早速③オンライン登壇の事前収録配信+LIVE Q&Aセッションを想定した準備を見ていきましょう。

(1)イベントページの作成

やることは、日本人が登壇するイベントページとほとんど変わりません。登壇者には、以下の情報を送ってもらうように依頼します。
1.名前(必要であれば読み方も)
2.肩書
3.経歴
4.登壇者の写真
5.会社ロゴ(使用可の場合)
6.登壇タイトルと概要
7.告知用挨拶動画

🌟Tips:告知用挨拶動画を集客に活用する
弊社では、登壇者にイベントの集客に活用できるように以下のような2分程度のショート動画を依頼しています。

こちらはサテライトオフィス様主催イベントデジタルEXPO for AIに登壇いただいた元OpenAIのZack氏の動画です。このように、短い動画を依頼することで、イベントページやSNS、Facebook広告、メルマガなど、さまざまな媒体に活用することができます。

🌟Tips:タイトルは日本人向けにカスタマイズ
弊社では、提出いただいたタイトルとプレゼンテーションの内容をもとに日本人向けに3つほどタイトル案を一緒にご提案しています。
洋画事情に詳しい方ならご存じだと思いますが、海外の方はキャッチーで短いタイトルを好む傾向があります。例えば、大ヒットしたディズニー映画「アナと雪の女王」の原題は「Frozen」、「リメンバー・ミー」は「Coco」です。ご提出いただくタイトルもこの傾向があり、そのまま直訳すると、魅力が十分に伝わらなくなってしまいます。
そのため、弊社では原題と共にクライアント様には3つほど候補タイトルを提出しています。登壇者の実績や経歴などのパワーワードを盛り込むことがポイントです。

(2)動画・スライド資料の翻訳

事前収録型の場合、登壇者本人に撮影いただいた動画とスライド資料を事前に送ってもらいます。目安としては、イベントの1カ月前には受領すると良いです。
ここで最も大変なのは、動画の翻訳です。翻訳の正確性はもちろん、見ている人が理解できる文字量・スピードで字幕を付与する必要があります。また、話している英語と表示されている字幕の内容が一致していることや、発話と同じタイミングで字幕が出るように調整しなければなりません。
自社で字幕を付与する場合、韓国発のAIツール「Vrew」が最もおすすめです。フォントや文字の大きさ、色を変更したり、BGMや効果音をつけることもできます。
スライドも元のデザインを損なわないようにフォントや文字の大きさを工夫して、動画で使った言葉と合わせて翻訳をします。

💀実際にあった話:専門用語がぐちゃぐちゃ!
クライアント様から聞いたお話なのですが、翻訳専門業者に外注して動画に字幕をつけてもらったところ、翻訳がぐちゃぐちゃで意味の通じない内容になってしまっていたそうです。
というのも、その時の登壇テーマがマーケティングだったため、専門用語の訳し方が誤っていたんですね。例え、外注先が英語のプロであっても、ビジネスやマーケティング業界のプロではないため、こういったケースは往々にして発生します。弊社では、BtoB特化型のイベント支援会社なので、各業界の専門用語は厳重に調査したうえで翻訳し、必要であれば本などの専門書を読んでベースを理解したうえで翻訳、専門家にダブルチェックを依頼することで誤訳を防いでいます。
外注する場合も、修正が発生した場合に備えて、ゆとりのあるタイムラインで進行することをおすすめします。

過去に弊社やクライアント様が経験した失敗事例と対策をまとめた記事はこちらからご覧いただけます:BtoBイベント企画で起こる5つの落とし穴!海外スピーカー招聘の失敗事例と対策

(3)通訳の手配

LIVE Q&Aセッションでは、通訳が必要です。社内で対応できる人がいれば別ですが、「英語を話せる」と「通訳できる」は全くの別物です。逐次通訳だと時間が2倍かかるため、同時通訳が可能な方を探しましょう。通訳をアサインしてもらえるサービスがいくつもあるので、ツテがなければ利用することをおすすめします。その際、BtoBの場合は内容に専門用語を多く含むことが多いため、業界知識がある方を探しましょう。

(4)配信ツールのセットアップ

ウェビナーを配信するツールの準備をします。Google MeetsやMicrosoft Teamsなど様々なツールがありますが、同時通訳で行う場合は、Zoomが1番おすすめです。

参加用のURLを発行したら、登壇者や通訳者、社内の参加メンバーに共有し、Googleカレンダーにも入れておきましょう。Googleカレンダーに登録しておけば、時差があっても相手に現地時間で登録されるため、安心です。
(Zoomの通訳機能を使った場合は、通訳者へはミーティングを設定した時点で自動で通訳者専用のURLがメールで送信されるため、URLの共有は不要です)

日頃Zoomを使っていても通訳機能はなじみがないと思うので、設定方法と開始後の操作、レコーディング時の注意について動画で解説しました👇

▶Zoomの通訳機能を使ったミーティングの設定方法

▶Zoomの通訳機能を使ったミーティングの開始~開始後の操作方法

▶Zoomの通訳機能を使った際のレコーディング注意点

(5)ウェビナー進行用のスライド準備

ウェビナー進行用のスライドはほとんど日本人登壇の場合と同じですが、リハーサル時は海外スピーカーも交えての進行となるため、挨拶や進行の流れを共有するリハーサル用の英語版スライドも準備しておくことをおすすめします。
また、参加者側も同時通訳ありのZoomに参加するのは恐らく初めてになると思うので、口頭アナウンスだけでなく、スライドで操作方法を画像付きで解説することも重要です。

(6)ZoomURLの共有&リマインドメールの送信

パネリスト用のZoomURLが準備できたら、海外スピーカーへ共有します。3~5日前を目安に一度送り、前日に再度リマインドメールとして送りましょう。ZoomURLをGoogleカレンダーにも登録しておくとメールを探さなくても参加できます。

STEP6:海外ウェビナー成功のポイントと実施手順

いよいよ海外スピーカーを招いたウェビナー当日です。こちらもあまり日本人登壇の時と流れは変わりませんが、いくつか細かい部分の工夫が必要です。

(1)リハーサル

海外スピーカーを招いたリハーサルを行う場合、社内メンバーのみ版とスピーカーおよび通訳者参加版の2パターンで行うことをおすすめします。
まずは、社内メンバーのみで当日の全体の流れや役割分担、実施後のToDO、この後のリハーサルの段取りを確認します。この際、本編は動画を流す形となるため、動画がきちんと音ありで流れるかを確認しておきましょう。
社内確認が終わったら、登壇者と通訳者に入室してもらい、リハーサルをします。この際、特に大事なのは最初に元気に笑顔で挨拶をし、参加いただいたことへのお礼を伝えることです。英語に自信がなくても、挨拶とお礼は自分の英語で伝えましょう。
同時通訳機能の使い方は事前に社内でチェックしたうえで、以下を登壇者と通訳者にそれぞれ伝えましょう。

●通訳の方に伝えること
・通訳が必要なパート
・Q&Aセッションの進め方
・その他質問事項がないか

●登壇者の方に伝えること
・Zoomの同時通訳機能の設定(英語回線を選択)
・カメラをONにしてお話いただくタイミング(挨拶・Q&A・最後)
・挨拶終了後、戻ってきていただく時間(Q&A開始の5分前)
・ウェビナー中の連絡手段と担当者
・ウェビナー終了後の謝礼支払い(請求書や通貨、送金方法)

🌟Tips:Q&Aは通訳者が進めやすいように進行する
同時通訳は非常にエネルギーを使います。かなりの集中力を要します。少しでも通訳者の負荷を軽減できるよう、ZoomのQ&Aセッションを進行する際は、投稿された質問をどのようにさばくかを事前に相談して進めましょう。口頭で聞いた日本語を瞬時に英語に翻訳するよりも、投稿された質問文を見ながら翻訳する方が圧倒的に負荷を軽減できます。
例えば、質問への投票機能をONにし、「いいね」が多い順に上から聞いていく方法や、「〇時〇分に投稿された、上から〇番目の質問です。」と目視できるように読みあげる方法などが考えられます。
その際、質問文をそのまま変えずに一旦読み上げるのも重要です。以前、ファシリテーターの方が質問文を自分なりにかなりアレンジして読み上げて進行した際、通訳者の方も参加者の方も、どの質問を取り上げているのかわからなくなり、現場が混乱したことがありました。そのため、質問文は誤字脱字以外はあまりアレンジせずに読み上げることをおすすめします。

(2)ウェビナー本番

ウェビナーを開始します。こちらも一般的な外部登壇者が登壇するウェビナーと流れは変わりません。60分間のウェビナーの場合、理想的な構成は以下です。
①開始の挨拶・参加にあたる注意事項(約3分)
②登壇者紹介:ここで一言ご挨拶をいただく(約2分)
③本編:字幕付与した動画を流す(約30分)
④サービス紹介:自社サービスを簡単に紹介(約5分)
⑤Q&Aセッション:参加者との質疑応答(約15分)
⑥最後のアナウンス:アンケート回答依頼など(約2分)
⑦登壇者からの挨拶:参加者へのメッセージ(約3分)

「60分間のウェビナー進行フロー | 効果的なオンラインイベントの流れ」
ウェビナー運営における理想的な進行スケジュールを示したフローチャート。  0分: 開始の挨拶・参加者向け注意事項
3分: 登壇者紹介
5分: 本編(字幕付き動画の上映)
35分: サービス紹介
40分: Q&Aセッション
55分: 最後のアナウンス
57分: 登壇者からの締めの挨拶

🌟質問に回答しきれなかったら?
以前、20分のQ&Aを設けたにもかかわらず、質問が殺到して30問ほど残ってしまったことがありました。
Q&Aの質問がさばききれなかった場合、残った質問数にもよりますがテキストで回答いただくことを相談すると良いでしょう。多くの登壇者は快諾いただけます。もしくは、時間に余裕があれば10分程度延長を打診するのも手です。どちらもアンケート回答者限定の特典にし、アーカイブ動画やQ&Aの資料を配布すると回答率が上がります。

STEP7:実施後の御礼とコンテンツ化

最後に、海外ウェビナー実施後にやるべきことを見ていきます。

・実施後の御礼と謝礼送金

終了後はすぐに御礼メールを送ります。その際、参加者のアンケート内容を伝えると喜んでいただけます。
また、事前の取り決めに則って請求書受領後に謝礼の支払いを行います。
前述の通り、支払いはWiseが圧倒的に手数料の安さと利便性からおすすめです。(国によっては対象外の場合がたまにあるので事前に確認必須)
他にはPayPalなどが一般的なようです。

・コンテンツ化

登壇者との取り決め次第でどこまで活用できるかに差はあるものの、オリジナルコンテンツとして非常に価値の高い動画が撮れたので利活用したいものです。
用途としては、
●外部公開OKの場合
・ホワイトペーパー
・オウンドメディアの記事
・YouTubeの自社チャンネルの動画
・メルマガ
・XなどのSNSの発信
・広報でのアピール
・採用ページでのアピール
・営業資料でのアピール

●外部公開NGの場合
・社内教育:勉強会で上映し、動画の内容をもとに部署横断でディスカッション
・営業チームのトーク力アップ:海外の事例を交えて話せる

などが考えられます。

海外との情報発信で第一想起を獲得するならトップランナーマーケティング

トップランナーマーケティングは、上記のような海外有名企業の方との情報発信を通じて、カテゴリ第一想起を獲得するご支援をしています。
海外トップランナーとの情報発信は、英語力や海外交渉に長けた人材の確保も必要です。
私たちにお任せいただければ、リソースを増やすことなく、海外ウェビナーや海外コンテンツ制作など、様々なチャネルで独自性の高い情報発信が実現可能です。候補者探索は無料ですので、ぜひご相談ください。

●GoogleやOpenAIの方などを招いた過去のイベント企画実績についてはこちら:https://japan-toprunner-marketing.com/speakers

ご興味ある方は、ぜひ👇のボタンよりご連絡ください!最後までお読みいただき、ありがとうございました。