『開発なき成長の限界』などの著者
ジャン・ドレーズは、ベルギー生まれのインド人福祉経済学者、社会科学者である。
インドを中心とした開発経済学、公共経済学に幅広い貢献をしており、飢餓、飢饉、教育、ジェンダー不平等、保育、学校給食、雇用保証など、開発経済学に関連する多くの問題に取り組んできた。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、デリー・スクール・オブ・エコノミクスなどで教鞭をとり、現在はデリー・スクール・オブ・エコノミクス名誉教授およびラーンチー大学客員教授である。また、ノーベル賞受賞者エスター・デュフロ氏が率いるタミルナドゥ州首相経済諮問委員会のメンバーでもある。
ノーベル賞受賞者のアマルティア・センとの共著書『開発なき成長の限界』では、急速な経済成長の一方で教育・保健医療・栄養・公共設備といった点で大きな格差・不平等が存在するインド社会について分析し、「人間の潜在能力」の開発こそが必要であると訴えている。